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5−10地域の自然に親しもう(フィールドビンゴ)

(小学校4年理科)
小原邦夫(千葉市立千城台東小学校)
1 背景・ねらい
フィールドビンゴ1.2)は、自然観察の際、観察者の視点や興味を継続させる手だてとして、一般に知られているビンゴゲームの要素を取り入れた自然観察の手法です。ゲーム化することにより観察が活発に行われることを期待しています。
ゲームのルールについては、このようにしなければできないと言うものではありません。フィールドの状況や、季節、学習の経過などによっていろいろと工夫することができます。
自然の様子や、動植物に、目を向けられるようなヒントを項目に設定して下さい。動植物の名前を直接示すよりも、角や、形、数など抽象的な表現でヒント項目に工夫を凝らし、自由度を持たせるとおもしろいと思います。動植物の様子は、午前と午後ではかなり違ってきます。ヒント項目の作成に当たっては、必ず下調べをしておくことが大切でしょう。できるだけ実施する時期や時間を同じに事前調査して下さい。下調べがどうしてもできない場合には、枠だけ与え、問題番号を自由に書き込み、現地に行って1問ずつ問題を出すという方法もあります。
また、参加者個々の発見も生かせるように枠を用意してください。事前の調査では見いだせないようなすばらしい発見がないとも限りません。まして、自分にとって見慣れたものでも、個人を感動させるという発見は、どんなものよりすばらしい発見となることでしよう。
これまでの理科教育では、これは何の花、花の作りは雄しべが何本と言うように知識・理解が中心にありました。
ここでは、自然にふれあう喜び、発見する喜びを大切にした活動を展開したいと思います。フィールドビンゴを、理科学習に併せて取り入れることにより、豊かな自然に、楽しくそして意欲的に触れさせることができると考えます。
理科教育の中で、自然観察はいくつかの学年で展開されますが、ここでは4年生の事例を取り上げます。
この「4年季節と生き物(冬)」という単元は、四季の変化の中で、身近な植物や動物の様子を調べたり、人の活動の様子を時刻との関わりで調べたりして、植物の成長、動物のや人との活動と環境とのかかわりを理解する一連の活動のです。秋の頃と比べて気温がさらに低くなり、植物や動物の様子、人間の活動の様子を調べ、冬の特徴をとらえるとともに、年間を尊して調べてきたことをまとめることがねらいです。
そこで、いろいろな事象の発見の喜びと、季節に伴う変化への驚きを、観察活動を通して体験させたいと考えます。
本校は、幸いにして近くに水辺のある「千城台野鳥観察園」があります。野鳥は動きが早く、子供たちの観察にはあまり適さないのですが、冬鳥であるマガモやホシハジロは、野山の野鳥と違い、定点での観察ができますので、ここを生かした学習を展開しました。
ただ、校外学習ですので、継続的な観察ができないこと、冬季以外では、野鳥の数が少なく観察会に適さないなどの欠点があります。
ここでは、ただ1回の漠然と通り過ぎてし

 

 

 

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